SKD11の切削加工におけるポイントとは?

下型キャビティ

SKD11とは

SKD11とは、耐摩耗性に優れた合金工具鋼の1種です。合金であるため、SKD11には、クロム、タングステン、モリブテン、バナジウムが含まれています。特徴としては、焼き入れを行うと高硬度にすることができるという点にあります。具体的な数値で表すと、HRC60以上の硬度を得ることが可能です。また、安価であるという側面も持つため、比較的入手がしやすい素材の1つであるといえます。

 

SKD11の用途とは

前述の通り、SKD11は耐摩耗性と硬度に優れ、安価な素材です。

では、SKD11にはどのような用途で使用されるのでしょうか?

当社の実績から下記2つの用途に使用されることがあります。

切削工具

1つ目は切削工具です。切削工具を製作する際には、超硬合金やハイス等が使われることがありますが、特にサイズの大きいドリルを製作する際には主にSKD11が使用されます。SKD11を使用する理由としては、工作物を削るために、硬度が高い材質でなければならないという理由もありますが、切削工具は消耗品でもあり、ランニングコストを抑えるためにも、安価に作成する必要があるためです。

 

金型部品

2つ目は金型部品です。主に金型の部品同士が接触する部分である摺動部にSKD11は使用されています。金型部品にSKD11が使用される理由としては、サイズが大きい部品のコストを抑えるためでもありますが、摺動部の耐摩耗性を向上させるためでもあります。

 

SKD11の切削加工におけるポイントとは

このように切削工具や金型部品などに使用されるSKD11ですが、切削加工を行う上でどのようなポイントがあるのでしょうか?

当社の実績から言えることは、必要精度や加工条件に応じて、焼き入れ前に加工を行うか、焼き入れ後に加工を行うかを決めるということです。焼き入れ前の加工が適している場合と焼き入れ後の加工が適している場合について説明します。

 

焼き入れ前

基本的に、SKD11に切削加工を行う際は、焼き入れ前であることが多いです。前述の通り、焼き入れ後であれば、硬度が高くなってしまうため、切削が困難になってしまうためです。超硬刃物のように硬度の高い工具を使用することで、加工を行うことは可能ですが、工具の消耗が激しくなるため、加工コストが高くなってしまいます。そのため、基本的には焼き入れ前に加工を行うことが主となっております。

焼き入れ後

では、焼き入れ後に加工を行うのは、どのような場合なのでしょうか?

代表的な理由としては、「精度」です。焼き入れ前と後では、製品の精度が異なります。そのため、製品の最終的な精度を重要視する際は、焼き入れ後に切削を行うことが適しております。使用する加工方法としては、材質の硬度による影響が少ない放電加工を使用されることがあり、精度の調整を行う際には研削加工が使用されます。

 

当社のSKD11 加工事例をご紹介

加工事例:下型キャビティ
下型キャビティ

こちらはSKD11製の下型キャビティの加工実績です。サイズは40×27×20,42×25×10(mm)で、研削加工,マシニング加工,放電加工,ワイヤーカット加工を用いて製作しました。

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SKD11のことなら、精密部品加工センターにお任せ!

精密部品加工センター.comを運営する株式会社長津製作所では、精密部品を中心とした様々な部品加工を多くの業界に向けて行っております。ワイヤー放電加工機から型彫放電加工機、研削加工機、マシニングセンタなど、多岐にわたる工作機械を保有しているため、あらゆる精密部品加工に対応しております。 また、ホログラム光学素子用金型などの超精密金型の設計・製作実績も多数ございます。 さらに当社では、当社工場にとどまらず、大田区や燕三条など、国内でも有数の加工集積地に幅広い加工ネットワークを築いております。これらの加工ネットワークを駆使することで、どこの会社ならできるかわからないような部品加工にも対応いたします。 「この部品はどこの会社ならできるのかな...?」「加工するのが難しい材料なんだけど、どこにもお願いできなくて困っている...。」「とにかく高精度に加工してほしい!」こうしたお悩みに、精密部品加工センター.comはお応えいたします。精密部品の設計・加工にお困りの方は、まずはお気軽に当社までご連絡ください。

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