通常の型抜きでは成形出来ない形状
成形品を金型から取り出す時、凹形状や凸形状がある、細かい突起がある、などの原因によりそのままの状態では抜き出せない場合があります。その形状の事をアンダーカットと言います。
ここではそんなアンダーカットの代表的な抜き出し方式を3つ、ご紹介いたします。
アンダーカットを抜き出すためには?
アンダーカットを抜き出すためには通常の型開きの縦の動きに加え、スライドコアを使用して横の動きを追加する必要があります。
アンダーカットの形状を考慮したスライド部品の設計が新たに必要になるので、より複雑な作業になります。
外側スライドコア方式
アンダーカット部(出っ張りなど)が製品の外側にある場合に使用する方法の一つが外側スライドコア方式です。
外側スライドコア方式では、型が開き始めると同時にアンギュラピンと呼ばれるスライドと型を動作させるピンを利用して、出っ張りや凹凸からスライドコアを抜き成形します。
スライドコアの移動量はアンギュラピンの角度によって決まるので設計の難易度がさらに上がるほか、スライドが下がりすぎないように止めるスライドストッパなどの部品も新たに必要となります。
傾斜コア方式
傾斜コア方式では、外側スライドコア方式のように型とアンダーカット処理の動きが連動することはありません。型が開いた後、製品を取り出すための突出板に取り付けられているスライドユニットが傾斜コアを動かしアンダーカットを取り外します。
傾斜コアの移動量が足りていないと、成形品や金型を破損させてしまう可能性があるのでこちらも設計には注意が必要です。
油圧スライド方式
アンダーカット部の長さが長い場合に使用されるのが油圧スライド方式です。
油圧シリンダを使って強力なパワーでスライドコアを移動させることができるため、前者二つの方式では不可能な動きを実現させることができます。
アンダーカットの形状別・抜き出し方まとめ
アンダーカットの位置・形状 | 加工方法 |
製品の外側にある | 外側スライドコア方式 |
製品の内側にある | 傾斜コア方式 内側スライドコア方式 |
アンダーカットが長い | 油圧スライド方式 |
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