光学機器向けの装置部品コストダウンのポイント

光学機器向け装置部品とは

光学機器には、光学顕微鏡・望遠鏡・カメラ・干渉応用計測機器・回折応用光学機器・レーザー応用光学機器・半導体露出光装置などがあります。

レンズを用いた光学機器で単一の凸レンズのみからできている虫眼鏡やルーペを拡大鏡といい、拡大鏡よりも倍率を上げるために複数のレンズで構成されている光学機器を顕微鏡といいます。そして、レーザが開発されたことにより、それまでの顕微鏡より分解能が向上したレーザ走査顕微鏡が誕生しました。レーザ走査顕微鏡は、レーザを光源としており、従来の顕微鏡より分解能が向上しています。また、波長より短い格子定数成分を持つ近接場光を利用した顕微鏡を近接場光学顕微鏡といいます。

光学機器のひとつである望遠鏡の発展は主に天体観測と共にありますが、それを示すように天文学者の名前を冠した構造方式が多いのが特徴です。例えば、ケプラー式屈折望遠鏡・ガリレイ式屈折望遠鏡・ニュートン式反射望遠鏡・カセグレン式反射望遠鏡などです。

光学機器のなかでもカメラは、一般の生活に根付いている装置です。カメラの特徴に、写真用のレンズを被写体に応じて変えて装着できる利便性があります。写真用のレンズは画角の大きさによって分けられていて、望遠レンズ・長焦点レンズ・標準レンズ・広角レンズ・魚眼レンズがあります。また、非球面レンズも一般用に使用されています。カメラに非球面レンズを用いた場合、収差の補正が可能なため、レンズの枚数を少なくできるのです。これにより、光の透過率が大きくなり、装置の小型化が実現できました。凹凸レンズの構成でできているズームレンズは、レンズの位置を動かすことで、結像の位置はそのままで焦点距離だけを変えることができます。

干渉応用計測機器は屈折率の測定に用いられたのが始まりで、物体の表面形状・屈折率・収差の計測に利用されています。また、光通信などにも応用されるなど新しい技術により進歩・発展しています。干渉計測器は光学部品の精密測定に活用され、トワイマン=グリーン干渉計・フィゾー干渉計などがあります。トワイマン=グリーン干渉計は、レンズの材料の屈折率分布・レンズの収差・球面の面精度・球面の曲率半径の測定に使用されています。また、形状検査をする薄膜評価装置や面精度測定装置に干渉計が応用されています。フィゾー干渉計は、トワイマン=グリーン干渉計より測定の自由度が増し、干渉計の小型化に成功、高精度の測定が可能になり光学部品の標準検査方法と位置づけられているのです。干渉計の進歩は、干渉距離の長いレーザを用いることで可能になりました。

回折応用光学機器に位相差顕微鏡があるが、これは生物細胞を染色することなく生きたまま観察できる装置です。回折とは、波動が物体の陰になる部分に回り込むことを指しますが、波動のひとつである光を回折させスペクトルを得る装置を回折格子といいます。シュリーレン法は、回折を利用し位相変化を光強度変化に換えて観測する方法で、これを改良した装置が位相顕微鏡です。

レーザ応用光学機器には光ディスク・レーザプリンター・バーコードリーダーなどがあります。光ディスクは、音声・画像・文書といった情報をデジタル信号に換えて、記録媒体のビットに記録し再生する装置です。CD・DVD・BDなどがあります。情報を読み取るヘッドにレーザが用いられていますが、非接触のためビットの劣化がないことと、欲しい情報にのみアクセス可能なことがレコードと異なる特徴です。また、光ディスクは光学現象が詰め込まれた光学機器といわれています。レーザプリンターは、レーザ光源に用いた印刷装置で、レーザに特有の性質によりインクジェット方式プリンターよりも高品質で高速な出力が可能です。バーコードをPOSシステムで読み取る装置がバーコードリーダーです。

半導体集積回路の集積度を上げるためには、より微細な加工を可能にする技術が必要でした。この集積回路を作成する装置が半導体露光装置です。シリコンウェーハに感光樹脂を塗布して光を照射すると化学反応により回路が描写され、そこから不要部分を取り除くと集積回路ができあがるのです。この集積回路を複雑な構成にしたいとなると超微細加工技術が必要となってきます。

光学機器向け装置部品と普通の装置部品の違いとは何か

材料面の違い

鉄にクロムを12%以上加えたものをステンレス鋼と呼びますが、その表面にはクロムとクロム酸化物の水分が反応し、酸化被膜が形成されているので錆びません。このため、ステンレス鋼は精密機器に頻繁に使用されていますが、光学機器にも同じことがいえます。

光学機器と他の精密機器との違いは、光学機器には軽量化・小型化が要求されることにあります。そのため、技術開発によりプラスチック等を使用した光学機器が低価格で供給されるようになりました。

形状・サイズ・重さの面の違い

光学機器に使われる部品の特徴は、レンズ・分光器・偏光器など光の波長を扱うことにあります。光を通過させるか反射させるか等の違いはあるが、すべての光学機器は精密さを要求されます。

このため、ナノメートル単位の調整を必要とすることもあり、大量生産が困難でした。また、光学機器は小型の方が利便性があり、そのためには光学素子から小型化していく必要がありました。光ファイバ―を用いた医療用の内視鏡などの例が挙げられます。

コスト面の違い

光学機器に使われる光学素子は、通常、高価です。その理由に、測定器などの光学精密機器は、研究所や事業所の発注を受けて製作することが挙げられます。そして、用途に応じて製作された光学素子をセットするマウントやステージも、それに合わせて製作しなくてはなりません。

既製品を組みわせて光学機器を製作するのか、光学素子から特注で製作するのかでコストが大きく異なってきています。

光学機器向け装置部品で使われる主な部品とは

光学レンズ

大きく分けて球面レンズと非球面レンズの2種類があります。球面レンズは標準的な結像レンズで、表面が球面状になっています。非球面レンズは収差を軽減した結像レンズで、表面が球面状になっていません。球面レンズはガラス研磨に適しているため多用されてきましたが、球面レンズだけで収差を取り除くには多くの凹凸レンズが必要でした。光学機器の小型化や低価格化には、少ない枚数のレンズで収差を減らすことが求められ、非球面レンズがこの問題を解決しました。

非球面レンズでは、収差補正が可能であり複数のレンズの組み合わせにより色収差も補正できるのです。また、ガラスの非球面研磨が難しいため量産できず高価でしたが、合成樹脂を用いる技術により大量生産が可能になりました。そして、ガラスの非球面レンズも非球面モールド技術と自動研磨装置により、様々な光学機器に使用されるようになったのです。

分布屈折レンズは、表面が平面で光線が蛇行しながら伝搬し、光軸の上の点で周期的に集中する微小結像レンズです。ロッド長を変えることで焦点距離が変更できます。また、レンズが平面なので研磨が容易で、直径が1mm程度なので狭い空間に使用でき、密に積層できるのでアレー化も容易です。分布屈折率レンズは、光ディスクや医療用関接鏡に使用されています。

光学機器では、特殊用途レンズが用いられることがあります。特殊用途レンズには、リレーレンズ・シリンドリカルレンズ・トロイダルレンズ・fθレンズがあります。リレーレンズは実像を転送でき、シリンドリカルレンズは断面で一方向に集束する特性から光情報機器に使用されています。トロイダルレンズは光軸対称な非球面であり、水平・垂直方向で焦点距離が異なる特性を持っています。

素材はPMHA・ポリカーボネット・シクロオレフィン樹脂で、とくにシクロオレフィン樹脂は飽和吸収率と光弾性係数から他の素材より広く用いられます。トロイダルレンズは、レーザープリンターや乱視用のコンタクトレンズに使用されています。fθレンズは、意図的に歪曲収差を導入した結像レンズで、複数を組み合わせて用います。fθレンズと回転多面鏡とを併用しレーザプリンターやファクシミリ、レーザ走査顕微鏡に使用されています。レーザ走査顕微鏡には、fθレンズとガルバノミラーを併用したものも使われています。

ミラー

ミラーは、光を反射させるために表面を研磨し、基板に銀やアルミニウムなどを蒸着させた光学素子です。通常、価格と性能からアルミ表面反射鏡が使用されている。反射鏡は、大きく分けて球面反射鏡と無収差反射鏡の2種類があります。球面反射鏡には凹面鏡と凸面鏡があり、レンズと違い複数を組み合わせて用いることが少ない。球面反射鏡の結像は、凹面鏡が凸レンズに、凸面鏡が凹レンズに似ています。焦点付近に光源を置くと、色収差がなく平行に近い像を結ぶことができます。

球面反射鏡は、ニュートン式反射望遠鏡・カセグレン式反射望遠鏡や、道路のカーブミラー・自動車のバックミラーに使用されています。無収差反射鏡の種類には、放物面鏡・楕円面鏡・双曲面鏡があり、特別な位置からあらゆる方向に出た光線の光路長の和や差が一定の値をとるといった特徴があります。この特徴を「光学的に共役」であるといい、共役点では完全に無収差となるため無収差反射鏡と呼ばれています。放物面鏡はパラボナアンテナや灯台の投影光として、双曲面鏡は放物面鏡と組み合わせて天体望遠鏡に、楕円面鏡は液晶プロジェクタや半導体露出装置の光源に利用されています。また、ミラーの種類には高反射ミラー・広帯域ミラー・低分散ミラー等があります。

光学素子(その他)

光学素子のひとつである回折光学素子は、回折現象を利用しレンズと同じ結像作用を可能にしました。また、回折光学素子のひとつであるキノフォームは金型による作成も可能なため、光学機器のコストダウンに期待されています。

波長板

波長板とは、直行する2つの偏光成分に位相差または光路差をつけ、入社偏光の状態を変える光学素子です。光が波長板を透過すると、位相差が発生し光の偏光状態が変化します。波長板は、光の振動方向により進む速度が異なる複屈折材料で作られています。

光学マウントステージ

光学素子であるレンズ・フィルター・ペリクル・プリズムなどに使えるホルダー・アダプター・ケージプレーとなどがあります。

分光器

分光器には、プリズムと回折格子が主に使用され、プリズムは光の波長の屈折率の違いにより分光し、回折格子は光の回折と干渉を利用して分光します。単一波長を測定する素子と、一定の波長幅を測定する素子とがあり、前者をモノクロメーター後者をスペクトロメーターといい、両方とも回折格子を主に使用しています。

センサー基盤

センサーは、光や温度を電気信号に変換する素子です。信号を処理する回路において電気信号に換え制御盤に入力しますが、その信号はアナログ信号とデジタル信号に大別されます。光センサーは、光学機器のカメラや赤外線装置などに使用される部品です。

偏光板

偏光板は、光源から360度の全方向に振動する普通光を、一定の方向だけに振動するように揃えるための光学素子です。カメラ・サングラス・航空機の窓・LCD液晶ディスプレー等に使用されています。

光ファイバー

光ファイバーは光信号の伝送に使われ、とても細い線です。光の屈折率が高い中心を屈折率の低い層で覆う構造になっているため、光を閉じ込めることができるのです。光通信・センサー・ファイバレーザ・ハイパワー光ガイドなどに使われ、素材も石英ガラスの他にフッ化物ガラス・カラコゲナイドガラス・プラスチックなどと多様になりました。光ファイバーの新しい構造としてフォトニック結晶ファイバ・ダブルクラッドファイバ・マルチコアファイバ等があります。

光学機器向け装置部品のコストダウンのポイント

設計・試作・量産をワンストップで実施する

光学レンズを、設計・試作・量産のワンストップで受注生産することで、製品の原価を低く抑えています。レンズの生産は、技術的な面から大量生産が困難で費用もかかるので、ユニットとして設計から量産まで一括して受注することで低コストとなる可能性があります。納品先の工場においても工程の時間が短縮され、装置の内側のスペースを省き、高精度の認識部品でありながらコストダウンとなるのです。

光学レンズをプラスチックで製作

プラスチックを素材に反射光学系レンズを開発し、量産と低価格を実現可能です。また、軽量なため大型の光学系レンズにも適しており、集光の効率化についても高く、高機能性を有しています。

ナノメートルレベルでの技術を駆使した光学レンズでコストダウン

モバイル機器に搭載する光学レンズには小型化が要求されています。ナノメートルレベルの単位で微細構造を有する回折光学素子を独自技術で開発することでコストダウンが可能です。

レンズを用途に応じた性能にすることでコストダウン

ハイテクノロジーやファクトリーオートメーションの分野では、製品に対して多様なニーズが発生しています。レンズの仕様も用途に応じての注文があるのですが、現実問題として用途に合っていない上に、必要以上に高価な光学機器部品が仕様されている場合があります。例を挙げるのならば、レンズの機能をシンプルにし低価格で供給することで、コストダウンが可能となるということです。

金型を用いるMIM技術により、複雑形状の部品を量産可能

機械加工と同等の精度でありながら、機械加工が不可能な形状でも生産可能であり、量産ができるのでコストダウンにつながります。また、材料である微粒粉末はチタン合金・タングステン合金・磁性材料などの金属であり、発注先に自社開発の素材が多ければ多いほど、新しい製品が低価格で製造できる場合があります。

エンボス加工による表面摩擦の低減を確保

光学機器の分野で、写真搬送装置に内装される搬送紙ガイドの大幅なコストダウンに成功した例ですと、表面のすべりを良くするため精密板金ではテフロンコーティングを施し仕上げるのですが、エンボス加工によって表面摩擦を低減し、製品表面のすべりやすさを確保します

成形・加工工程への影響も考慮した設計を行う

軽量で丈夫であり、放熱特性を有した製品をアルミダイカスト製法により製作するという方法です。カメラなどの光学機器の筐体・部品に適用しています。また、金型設計から加工まで自社で請け負うことで加工代をコストダウンに貢献可能です。

アーキテクチャにDLPを組み込み、低コストの分光器を実現

分光器の設計にデジタル・マイクロミラー・デバイスを組み込み、小型化・堅牢性の工場に成功しました。高価なInGaAsアレイセンサの代わりにDLPの高度な光制御技術と単一点検出器を併用し大幅なコストダウンを実現できます。

高品質・低価格のホルダーを海外より調達する

光学機器等の部品を自社で賄うよりも、世界中から調達することで製品の低価格化に挑戦することも選択肢の一つです。

 

まとめ

いかがでしょうか。光学装置部品は精巧かつ高額なため、信頼できるサプライヤーに出会い、厳選することがポイントとなってきます。当サイトでもあらゆる光学品の加工に対応可能ですので、お気軽にご相談ください。

Copyright© 精密部品加工センター.com , 2020 All Rights Reserved.