旋盤加工における回転数の調整ポイントとは?

旋盤加工を行う上では、バイトや構造の違いの以外にも様々な加工条件によって仕上がりの状態が変わると言えます。そこで今回のコラム記事では、旋盤加工における切削条件にはどのようなものがあるか、中でも特に回転数に関して詳しくご紹介をしていきます。

旋盤加工とは

旋盤加工とは、切削加工の一つであり切削工具であるバイトを固定して対象物を回転させながら削り取る加工方法のことです。 バイトは、胴体部分の「シャンク」と先端部分の「刃先」から出来ている切削工具で、構造の違いによっても種類が分かれています。

刃先とシャンクが同じ素材で一体となっている「ムクバイト」、刃先をシャンクに溶着している「付刃バイト」、シャンクの先端に刃先を取り付け、摩耗や破損で切れ味が悪くなった場合にチップを交換するだけで何度でも繰り返し使用が可能である「スローアウェイバイト」の主に3種類に分類されます。精密部品加工センター.comを運営する株式会社長津製作所では、主にスローアウェイバイト式での旋盤加工を行っております。

>>旋盤加工とフライス加工の違いとは?

 

旋盤加工における切削条件

旋盤加工における切削条件としては、送り量・切り込み量・回転数の3つを挙げることができます。これら3つの条件によって加工精度、仕上がりの状態、加工時間、工具の消耗具合などが決まります。これより、旋盤加工における送り量・切り込み量・回転数に関してそれぞれ解説をしていきます。

 

-送り量

旋盤加工における送り量とは、主軸が1回転する間に刃物がどれだけ移動したかという距離のことを差します。送り量を大きくすればするほど、加工に要する時間は短くなりますが、ワークの表面は粗くなります。

 

-切り込み

量切込み量とは、素材の削る量のことを差します。旋盤加工では、直径を基準に削る量を決めますが、実際に加工する際は両端からではなく片側からの加工となります。そのため切込み量は、直径において削る量の半分となります。
切り込み量は、ワークの形状や使用する機械の出力、工具等によって決定されます。一般的に、切込み量が大きくなればなるほど切削抵抗が大きくなるため、ビビり等が発生してしまう場合があります。

 

-回転数

旋盤加工の回転数は、ワークの表面粗さや工具の寿命、作業効率に影響を与えます。一般的には、回転数が多いほどワークの表面はきれいに仕上がる上に、短時間での加工が可能となります。しかし、回転数を多くすればするほど工具の寿命が短くなってしまうという側面もあるため、むやみに回転数を増やせば良いということではなく、最適な回転数を設定する必要があります。

 

 

旋盤加工において回転数の違いで起こる現象

ここからは、切削条件の中でも特に回転数に関して詳しく説明をしていきます。旋盤加工においては、回転数の違いでワークの表面粗さ、切子の出方、加工速度が変わります。

 

-ワークの表面粗さ

一般的には、硬い素材を旋盤加工する際は回転数を少なくする方が、反対にアルミや銅等の柔らかい素材を旋盤加工する際には、回転数を上げる方が仕上がりの状態が良くなります。なぜなら、回転数が多いと加工中に溶けた素材が刃物に付着しにくくなるためです。

 

-切り子の出方

旋盤加工において回転数を上げれば上げるほど、細く繋がった切り子が出るようになります。

 

-加工時間

回転数が多いほど短時間で加工を行うことができます。しかし、同時に工具の消耗も激しくなってしまう為、最適な回転数を設定する必要があります。

 

 

回転数の調整ポイント

旋盤加工における回転数調整のポイントとしてワークの大きさ、ワークの長さ、爪の加え方に3つについてご紹介致します。

 

-ワークの大きさ

1つ目はワークの大きさです。ワークが小さければ小さいほど仕上がりはきれいに仕上がりますが、材料が硬い場合は回転数を下げる必要がございます。対象物が大きい場合には回転に伴う遠心力によりチャックが開き、対象物が飛んでしまう可能性があります。そのために、計算で求めた回転数と送りを下げて加工することでチップの摩耗を防ぎ、仕上げ面精度が高い加工を実現します。

 

-ワークの長さ

2つ目は、ワークの長さです。対象物が長い場合には、振動による対象物の曲がりや真円に削れない可能性がございます。そのため、振動を安定させるために計算で求めた回転数より低い回転数で加工することがポイントです。

 

-爪での固定方法

3つ目は爪での固定方法です。爪でくわえる部分が薄くなるにつれて、爪が飛んでしまう可能性がございます。そのために静的把握力と爪(ジョー)に生じる計算上の遠心力の把握がポイントとなります。

 

 

旋盤加工の加工実績

加工事例:製品部丸駒④

製品部丸駒④

こちらは、旋盤加工・マシニングセンタ・ワイヤーカット・放電加工の複合加工で製作された、金型製品部分の入れ子です。材質はSTAVAX製です。
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加工事例:テーパー配管

テーパー配管

こちらは自動車業界・金型業界向けに製作した配管部品であるテーパー配管でございます。旋盤加工ならびにミーリング加工によって製作しました。
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加工事例:ギア受け

こちらは自動車業界・金型業界向けに製作したギア受けでございます。S45Cに対して旋盤加工・ミーリング加工をして製作しました。

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加工事例:ヒートシンク

ヒートシンク

こちらはFA業界向けに製作したヒートシンクでございます。アルミニウムを旋盤加工・ミーリング加工して製作しております。
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加工事例:継手②

こちらは半導体業界・自動車業界・情報通信業界向けに製作した継手②の事例でございます。真鍮に旋盤加工をすることで製作しております。
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旋盤加工のことなら、精密部品加工センターにお任せ!

精密部品加工センター.comを運営する株式会社長津製作所では、精密部品を中心とした様々な部品加工を多くの業界に向けて行っております。ワイヤー放電加工機から型彫放電加工機、研削加工機、マシニングセンタなど、多岐にわたる工作機械を保有しているため、あらゆる精密部品加工に対応しております。 また、ホログラム光学素子用金型などの超精密金型の設計・製作実績も多数ございます。 さらに当社では、当社工場にとどまらず、大田区や燕三条など、国内でも有数の加工集積地に幅広い加工ネットワークを築いております。これらの加工ネットワークを駆使することで、どこの会社ならできるかわからないような部品加工にも対応いたします。 「この部品はどこの会社ならできるのかな...?」「加工するのが難しい材料なんだけど、どこにもお願いできなくて困っている...。」「とにかく高精度に加工してほしい!」こうしたお悩みに、精密部品加工センター.comはお応えいたします。精密部品の設計・加工にお困りの方は、まずはお気軽に当社までご連絡ください。

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