複雑形状ピンとは?
ピンとは、金属部品同士を結合させるために使用する留め金のことを呼び、2つ以上の部材や部品の締結、部品の位置を決める、あるいは、ねじ等の回り止めなどの目的で使われます。ピンの種類として大きく4種類あり、それぞれ①割ピン②スプリングピン③平行ピン④テーパーピンに分類されています。ピンの中にもこれらの汎用的に使用できる円柱型のものや、嵌めこむ際にずれることがないように位置決め用のピンなどさまざまな形状がございますが、回転するものに対してピンを使用する際には回転によりピンが抜け出ることがあるので注意が必要です。当社の加工実績としては光学業界向けに豊富な製作実績があり、対応可能な加工サイズは最大φ100×200です。また対応可能な加工精度はサイズにもよりますが、寸法公差±2μm、幾何公差0.002まで対応可能です。
複合加工とは
当社では複合加工とは、1つのワークに対して、多工程の加工を施す加工方法のことを表しております。当社にて、複合加工をする上でのメリットとしては、リードタイムの短縮や工程間の輸送コスト削減などが挙げられます。
精密部品加工センター.comでは、放電加工やマシニング加工、研削加工、旋盤加工等の様々な加工方法を組み合わせることで、他社ではできない複雑形状の精密部品加工を行うことができます。
>>複合加工とは?メリットや当社で対応可能な加工方法について
複雑形状ピンを複合加工する際に必要になる加工工程と使用する設備について
複雑形状ピンを複合加工する際には、旋盤加工、穴あけ加工、フライス加工、円筒研削加工の複数工程にて加工をします。図面を読み取り、工作機械と工具の選定及び加工手順を確認します。下記にそれぞれの加工工程の説明と当社が使用している設備についてご紹介いたします。
・旋盤加工
まず初めに定尺寸法の材料から削り代を考慮し、仕上がり寸法よりも少し大きめに切断するための材料取り作業を行います。一般的に旋盤加工は、マシニング加工よりも加工が早く切削効率が良いために旋盤加工をまずは行います。旋盤加工の工程で使用する設備としてはNC旋盤がメインになります。具体的に当社では下記の設備を使用しています。
NC旋盤 LN-32N テクノワシノ 2台
NC旋盤 GT-250B 永進機械 1台
・穴あけ加工
加工物に穴をあけることは、軸を通したり、ネジ形状にして他の部品と締結するために利用したり、ピンを圧入して位置決めに使ったり、軽量化の肉抜きだったり、液体や気体の流路になったりと、様々な用途が考えられます。厳しい内径や位置公差の加工をする場合や内面を綺麗に仕上げる場合があるので、あらかじめ外径加工を行うことが重要となります。具体的に当社では下記の設備を使用しています。
5軸マシニングセンタ ROBODRILL α-T21IFL 1台
・NCフライス加工
NCフライスは任意の形状に加工をする際に用いられます。具体的に当社では下記の設備を使用しています。
マシニングセンタ V33i・V33 牧野フライス製作所 9台
マシニングセンタ YBM640V・YBM850V 安田工業 4台
・円筒研削加工
旋盤加工やフライス加工を行った後に最後の表面の仕上げとして砥石を使って行われる円筒研削加工を行います。工作物の外径を削る加工として旋盤加工やフライス加工がございますが、工具である砥石も回転させて接触させることで寸法精度の高い表面処理で非常に滑らかな表面が得られます。具体的に当社では下記の設備を使用しています。
円筒研削盤 GUP32X50 豊田工機 1台
NCジグ研削盤 JG-15CPX 和井田製作所 1台
複雑形状ピンを複合加工するメリットについて
複雑形状ピンを複合加工するメリットとしては、リードタイム短縮と輸送コストの削減をすることが出来る点です。
①リードタイム短縮
当社は旋盤加工、穴あけ加工、フライス加工、研削加工に渡る複数工程を自社内で一貫対応が可能である加工設備を保有しています。それぞれの工程にハイレベルな技術力をもつスタッフと機械設備を整え、外注による品質や納期のバラつきを無くすとともに、運送費用や外注経費を抑えてコストダウンを図っています。
②輸送コストの削減
一般的には、多工程で製品を製作する場合には工程間の輸送コストが発生してしまいます。さらに品質管理基準もバラバラであるために、お客様の要求する精度に満たない場合には追加工が必要となります。しかし、当社は複合加工を丸ごとお受けすることができるため、輸送コストを削減することができ、コストメリットをご提供することができます。
複雑形状ピンを複合する際のポイントとは?
ピンの複合加工におけるポイントとしては、①複合加工をするピンは複雑形状であることが多いため真円度・円筒度・面精度を出すこと②円筒の中心と形状の芯ずれを少なく加工することが重要となります。①の真円度を出すために円筒研削の加工時には、削り代・温度管理に注意しております。さらに多工程にわたっての加工する複合加工では、位置出しに注意をして加工することで芯ずれを少なくすることを工夫しております。加工の流れとしては、旋盤加工後にワイヤーカット加工及び型彫り放電加工、マシニング加工を行った際に、真円度を出す円筒研削加工を行います。
複合加工の加工事例のご紹介
加工事例:光学部品向けピン
こちらは、STAVAX製の光学部品向けピンです。サイズはφ10×100で精度は±0.005の精密機器・光学部品向けに使用されています。SUS420J2材のピン加工対応をしている会社が少ないこともあり、当社にご依頼いただきました。加工のポイントとしては・・・
加工事例:精密機器・光学部品向け 入子
こちらは、STAVAX製の光学部品向けピンです。サイズはφ30×120で精度は±0.01の精密機器・光学部品向けに使用されています。製品部分の精度が高いが、一方向からの加工だけでは加工が困難であったため、当社にご依頼いただきました。加工のポイントとしては・・・
複合加工のことなら、精密部品加工センターにお任せ!
精密部品加工センター.comを運営する株式会社長津製作所では、精密部品を中心とした様々な部品加工を多くの業界に向けて行っております。ワイヤー放電加工機から型彫放電加工機、研削加工機、マシニングセンタなど、多岐にわたる工作機械を保有しているため、あらゆる精密部品加工に対応しております。 また、ホログラム光学素子用金型などの超精密金型の設計・製作実績も多数ございます。 さらに当社では、当社工場にとどまらず、大田区や燕三条など、国内でも有数の加工集積地に幅広い加工ネットワークを築いております。これらの加工ネットワークを駆使することで、どこの会社ならできるかわからないような部品加工にも対応いたします。 「この部品はどこの会社ならできるのかな...?」「加工するのが難しい材料なんだけど、どこにもお願いできなくて困っている...。」「とにかく高精度に加工してほしい!」こうしたお悩みに、精密部品加工センター.comはお応えいたします。精密部品の設計・加工にお困りの方は、まずはお気軽に当社までご連絡ください。