ピストンリングの複合加工におけるポイントとは?

ピストンリング

ピストンリングとは?

ピストンリングとはピストンとシリンダー間で、エンジンが効率良く動作をするために必要な部品です。ピストンリングの役割として大きく①燃焼ガスのシール機能、②オイルコントロール機能、③熱伝導機能の3種類に分類されています。それぞれの役割としては①シール機能は爆発時に発生した燃焼ガスがピストンとシリンダーの隙間に漏れて空圧エネルギーを十分に発揮出来なくなる問題を防ぐためにシリンダー内の気密を保つ機能です。また②オイルコントロール機能はピストンが数千回以上往復する時にピストンリングとシリンダーが焼き付かないように常に必要最小限の潤滑油膜を作る機能です。加えて③熱伝導機能はガス爆発した際にピストン内の高熱によりエンジンが破損されることを防ぐために冷却されたシリンダーの壁に熱を逃がす機能です。当社の加工実績としては、対応可能な加工範囲は外径φ100程度・内径φ90まで対応可能です。ピストンリングは圧縮された空気が漏れないようにするためにシール部の外径部分に精度に求められ、当社では外径・内径の寸法公差±0.1を実現することが可能です。

 

複合加工とは

当社では複合加工とは、1つのワークに対して、多工程の加工を施す加工方法のことを表しております。当社にて、複合加工をする上でのメリットとしては、リードタイムの短縮や工程間の輸送コスト削減などが挙げられます。

精密部品加工センター.comでは、放電加工やマシニング加工、研削加工、旋盤加工等の様々な加工方法を組み合わせることで、他社ではできない複雑形状の精密部品加工を行うことができます。

>>複合加工とは?メリットや当社で対応可能な加工方法について

 

ピストンリングを複合加工する際に必要になる加工工程と使用する設備について

ピストンリングを複合加工する際には、マシニング加工で外径加工を行った後に内径穴のサイズによって旋盤加工とワイヤー放電加工を使い分けております。下記にそれぞれの加工工程の説明と当社が使用している設備についてご紹介いたします。

・マシニング加工

まず初めにマシニングセンタを用いて外径寸法の加工を行います。金型の合わせの部分で平面・平行度をしっかりと作る必要があるために、通常の加工では平面研削加工を必要とします。ただ、平面研削加工を用いることでコストと納期の弊害が生まれてしまうので、切削加工のみで要求の平面度を出すことがポイントとなります。当社ではマシニングセンタの加工条件および治具を工夫してこれらを実現しています。

マシニングセンタ V33i・V33 牧野フライス製作所 9台
マシニングセンタ YBM640V・YBM850V 安田工業 4台

・細穴放電加工or旋盤加工

内径仕上げ部分の加工では開ける径によって細穴放電加工機と旋盤を使い分けています。それぞれ小径φ20未満の場合には細穴放電加工を使用し、小径φ20以上の場合には旋盤加工を用いて加工することが多いです。ただ細穴放電加工はφ0.3~2.0の電極線を用いてカットしたいワークに放電するために、ワーク自体が導電性のあるワークに限られます。例えば、ゴム製のピストンリングや樹脂製のピストンリングには旋盤を用いて加工をしています。

型彫り放電加工機 MA2000 三菱電機 1台
ワイヤー放電加工機  UPV3、U-32K、EU-64、EQH5、EQ5、EE6 牧野フライス製作所 7台
NC旋盤 LN-32N テクノワシノ 2台
NC旋盤 GT-250B 永進機械 1台

>>当社の加工設備はこちらから

 

当社がピストンリングを複合加工するメリットについて

当社がピストンリングを複合加工するメリットとしては、多くの加工設備による最適な高品質加工と加工工程の短縮を実現をすることが出来る点です。

①多くの加工設備による最適な高品質加工

当社はマシニング加工、細穴放電加工、旋盤加工に渡る複数工程を自社内で一貫対応が可能である加工設備を保有しています。それぞれの工程にハイレベルな技術力をもつスタッフと機械設備を整え、外注による品質や納期のバラつきを無くすとともに、当社にて複合加工を丸ごとお受けすることができるため、運送費用を抑えてコストメリットをご提供することができます。ピストンリングにおいて径のサイズによって適切な加工設備の選択することが出来るのは非常に重要なことです。旋盤は基本真円度の高い加工を実現することが出来るメリットはございますが、やはり径のサイズが小さすぎると内径穴にバイトが入らないのでその場合にも細穴放電加工にて対応出来ることはメリットの一つです。

②加工工程の短縮

当社は先述のように当社にて複合加工を丸ごとお受けすることができるため、外注取り回しにかかる日数を削減出来るために納期短縮をすることが可能です。さらに内径加工の際に放電加工機専門企業の場合には加工時間を要するのに対し、当社は旋盤と放電加工機を両機とも保有しているために、ワークに合った加工機を選択することが出来ます。通常は旋盤の加工速度が速いのでその点においてもメリットを創出しています。

 

複合加工の加工事例のご紹介

加工事例:リングプレート
リングプレート

こちらは、S45C製のリングプレートです。サイズは55×45
で、マシニング加工とワイヤーカット加工の複合加工によって製作致しました。

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加工事例:メインプレート(検査治具部品)
メインプレート(検査治具部品)

こちらは情報通信業界向けのメインプレート(検査治具部品)加工実績でございます。材質としてはSUS304を使用しており、150×150×6のサイズにて製作しております。また、ミーリング加工、ワイヤーカット加工、研削加工の複合加工によって製作しております。加工精度は・・・

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複合加工のことなら、精密部品加工センターにお任せ!

精密部品加工センター.comを運営する株式会社長津製作所では、精密部品を中心とした様々な部品加工を多くの業界に向けて行っております。ワイヤー放電加工機から型彫放電加工機、研削加工機、マシニングセンタなど、多岐にわたる工作機械を保有しているため、あらゆる精密部品加工に対応しております。 また、ホログラム光学素子用金型などの超精密金型の設計・製作実績も多数ございます。 さらに当社では、当社工場にとどまらず、大田区や燕三条など、国内でも有数の加工集積地に幅広い加工ネットワークを築いております。これらの加工ネットワークを駆使することで、どこの会社ならできるかわからないような部品加工にも対応いたします。 「この部品はどこの会社ならできるのかな...?」「加工するのが難しい材料なんだけど、どこにもお願いできなくて困っている...。」「とにかく高精度に加工してほしい!」こうしたお悩みに、精密部品加工センター.comはお応えいたします。精密部品の設計・加工にお困りの方は、まずはお気軽に当社までご連絡ください。

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