S45Cの切削加工における3つポイントとは?S50Cとの違いも解説!

リングプレート

S45Cとは

S45cとは一般的な構造物に用いられることが多い素材で、鉄と炭素で構成されています。主な特徴としては、

・焼き入れを行うことにより、高い硬度を得ることができる。

・溶接性が高い。

・安価な材料であるため、容易に入手することができる。

などが挙げられます。

しかし、磨き性が悪いため、光沢面が出しにくいという難点もあります。

また、S45Cとよく似た素材で、S50Cというものがあります。これは、基本的にS45Cと同じ性質を持ちますが、違いとしては、S45Cよりも強度が高く、価格も高いという点にあります。強度が高い理由としては、S50Cの方が炭素量が多いためです。言わば、S50CはS45Cよりもグレードが高い素材であると言えます。

 

S45Cの用途について

前述の通り、安価で強度が高いという特徴を持つS45Cですが、どのような用途で使用されているのでしょうか?

冒頭で述べた通り、一般的な構造物に用いられることが多いですが、その他にも金型業界におけるモールドベースに使用されることも多々あります。これは、金型の製作コストを安く抑えるためには、安価であるS45Cが適しているためです。

また、S50CとS45Cの使い分けとしては、コストと強度を天秤にかけた際に、コストに重きを置く際はS45Cを使用し、強度に重きを置く際はS50Cを使用します。

 

S45Cの切削におけるポイント

では、S45Cに切削加工を施す際のポイントとしては、どのようなポイントがあるのでしょうか?

当社の実績から見ると、3つのポイントがあると考えられます。

切れ味の良い切削工具の使用

1つ目は切れ味の良い切削工具の使用です。これは大前提ではありますが、硬度の高いS45Cを加工する際は、切れ味の良い切削工具を使用することにより、刃持ち(工具の寿命)が良くなります。刃持ちが良くなれば、加工時の工具の費用を抑えることが可能であるため、コストダウンにも繋がります。

 

サーメット工具の使用

2つ目はサーメット工具の使用です。「S45Cとは」で述べた通り、光沢面を出すことが難しいS45Cですが、サーメット工具を使用することで出すことが可能です。超硬刃物であれば、主成分がタングステンであり、鉄との親和性が高いため、S45Cを加工した際に、工作物の一部分が工具に溶着してしまうことがあります。これにより光沢面を出すことが難しくなりますが、サーメット工具であれば主成分がチタンやタンタルであるため、溶着することはなく光沢面を出すことができます。

 

防腐剤の使用

3つ目は防腐剤の使用です。S45Cには防腐性に劣るという側面も持つため、屋外での使用など、錆びやすい環境で使用する際には、防腐剤の塗布が必要となります。

 

当社のS45C 加工事例のご紹介

加工事例:リングプレート
リングプレート

こちらはS45C製のリングプレートの加工実績です。サイズは55×45(mm)で、ワイヤー加工とマシニング加工を用いて製作しました。

>>加工実績の詳細はこちら

S45Cの加工のことなら、精密部品加工センターにお任せ!

精密部品加工センター.comを運営する株式会社長津製作所では、精密部品を中心とした様々な部品加工を多くの業界に向けて行っております。ワイヤー放電加工機から型彫放電加工機、研削加工機、マシニングセンタなど、多岐にわたる工作機械を保有しているため、あらゆる精密部品加工に対応しております。 また、ホログラム光学素子用金型などの超精密金型の設計・製作実績も多数ございます。 さらに当社では、当社工場にとどまらず、大田区や燕三条など、国内でも有数の加工集積地に幅広い加工ネットワークを築いております。これらの加工ネットワークを駆使することで、どこの会社ならできるかわからないような部品加工にも対応いたします。 「この部品はどこの会社ならできるのかな...?」「加工するのが難しい材料なんだけど、どこにもお願いできなくて困っている...。」「とにかく高精度に加工してほしい!」こうしたお悩みに、精密部品加工センター.comはお応えいたします。精密部品の設計・加工にお困りの方は、まずはお気軽に当社までご連絡ください。

>>加工実績一覧はこちら

>>当社自慢の設備情報はこちら

Copyright© 精密部品加工センター.com|精密加⼯から特注治⼯具製作までフルサポート , 2024 All Rights Reserved.