ワイヤーカットによる高精度加工をするための8つのポイントとは?

金型部品⑤

ワイヤーカットは、ワイヤー線の太さがφ0.05~0.3mmということもあり、ミクロンレベルという高精度加工が可能な非接触加工方法として知られています。しかし、さらに精度よくワイヤーカット加工をする際には、細かいノウハウが必要となってきます。

ここでは、ワイヤーカットによる高精度加工をするための8つのポイントについて、まとめて解説いたします!

ワイヤーカットとは?

まず、ワイヤーカットについて説明いたします。

ワイヤーカットとは、正式にはワイヤー放電加工と言われる放電加工の一種で、真鍮などのワイヤー線に電流を流して加工物を溶融させながら切断する加工方法です。ワイヤー線には、主に真鍮製のワイヤー線が使用されますが、タングステンやモリブデン製の電極線もございます。また、ワイヤーカットをするための工作機械を、ワイヤー放電加工機と言います。

>>ワイヤーカットとは?原理・仕組みから特徴まで、まとめて解説!

 

ワイヤーカットは、ワイヤー電極線と工作物が非接触のまま加工されますが、ワイヤー線の太さがφ0.05~0.3mmということもあり、ミクロンレベルという高精度加工が可能というのが、ワイヤーカットの大きなメリットです。

>>ワイヤーカットのメリット・デメリットについて

 

その加工精度は、同じ非接触加工であるレーザーカット加工よりもはるかに優れており、研削加工のような0.005mmレベルの精度を出すことができます。そのため、ピッチ精度が必要な順送金型部品の加工や、リングやギアの半割加工などに使用することができます。

>>ワイヤーカットとレーザーカット加工の違いについて

 

ワイヤーカットによる高精度加工をするための8つのポイント

それでは、ワイヤーカットによる高精度加工をするための8つのポイントについて解説いたします。

①加工回数を増やす

まずは、加工回数を増やす方法です。この方法はワイヤーカットをする部品加工業者の中では当たり前の方法とも言えます。より切断面の表面粗さを細かくするには、加工回数を増やす方が凹凸具合がなくなり、綺麗な切断面となります。

 

②加工条件(電流の強さ)を調整する

続いて、ワイヤー電極線に流す電流の強さを調整する方法です。①の加工回数を増やす方法と共に採用される、ワイヤーカットにおける高精度加工方法の常套手段とも言えます。

最初は強めの電流を流し、加工速度が早めな粗加工として済ませる。そして仕上げでは弱い電流で送り速度を遅くして加工する、という方法です。当社では、粗加工1回、中仕上げ加工2回、仕上げ加工1,2回、計4~5回で加工することが多いですが、場合によっては6回繰り返すこともあります。

1回の粗加工では、仕上げ面粗さRaとしては約10~20μmとなり、4,5回目の仕上げ加工では1~5μmほどの高精度な面粗度を得ることができます。

 

③細いワイヤー線を使用する

また、なるべく細いワイヤー電極線を使用するのも高精度加工のポイントとして挙げられます。ワイヤー線の直径がコーナー部分のR径を決めると言っても過言ではありません。そのため、R部分で形状精度が必要な場合は、0.03~0.1mmといった極細ワイヤー線を使用する必要があります。ただし、細い分だけワイヤー線は切れやすく、加工速度も遅くなってしまいます。

 

④タングステンワイヤー線を使用する

ワイヤー線の材質として主流なのは真鍮です。しかし、放電特性が優れており、精密な仕上がりとなるために超精密加工向けに使用されるのが、タングステンワイヤー線です。そのため、タングステンワイヤー線を使用することで加工精度を向上させることができます。ただし、タングステンワイヤー線は真鍮ワイヤー線よりも高価なため、加工コストとしては増加してしまいます。

 

⑤加工液を油にする

発火や取り扱いの点から、現在では水を加工液として使用してワイヤーカットを行う場合がほとんどです。しかし、水と油では絶縁抵抗値が異なるため、表面性状を上げたい場合は油の方が適しているのです。

 

⑥高精度なワイヤーガイドを使用する

ここから上級編です。ワイヤーカットの加工精度を向上させたい場合は、ワイヤー線をよりテンションを高めに張る必要があります。そのために、ワイヤーを上下で保持するガイドをより高精度に保持することができるワイヤーガイドにすることも、ワイヤーカットの高精度加工のためには必要なポイントになります。

 

⑦メーカーごとにワイヤー放電加工機の調整する

また、そもそものワイヤー放電加工機によっても、多少の加工精度が異なります。例えば、同じワイヤーを使用して同等の表面粗さを得る場合であっても、牧野フライス製のワイヤー放電加工機では4回、ソディック製では5回の加工回数にしなければいけない、ということもあります。そのため、メーカーごとにワイヤーカットの加工条件を最適化する必要があるのです。

 

⑧加工手順を慎重に検討する

最後に、加工手順を慎重に検討するのも、ワイヤーカットの高精度加工には必要不可欠な要素です。工作機械や加工液、ワイヤー線などの仕様環境も大切ではありますが、実際にワイヤーが動く加工手順も極めて重要な精度向上のポイントになります。スタート孔を作るか作らないか、どの順番でくり抜くか、スタート孔を2か所に増やすか等、細かいノウハウが一番詰まっているポイントとも言えます。加工プログラムを組む前に、一度加工手順について再考してみることで、さらに高精度なワイヤーカットができるかもしれません。

 

ワイヤーカットの加工実績

続いて、当社が実際に加工したワイヤーカット加工による加工実績をご紹介いたします。

加工事例:製品駒
製品駒
こちらは、SKD11製の製品駒です。 加工方法としては、ワイヤーカット、放電加工、マシニングセンタといった複合加工を行っています。 >>加工実績の詳細はこちら
加工事例:製品部入子①
製品部入子①
こちらは、STAVAX製の製品部入子です。 加工方法としては、ワイヤーカット、放電加工、マシニングセンタといった複合加工を行っています。 >>加工実績の詳細はこちら
加工事例:製品部入子②
製品部入子②
こちらは、STAVAX製の製品部入子です。 加工方法としては、ワイヤーカット、マシニングセンタといった複合加工を行っています。 >>加工実績の詳細はこちら
加工事例:製品部入子④
製品部入子④
こちらは、STAVAX製の製品部入子です。 加工方法としては、ワイヤーカット、超精密マシニング加工といった複合加工を行っています。 >>加工実績の詳細はこちら
加工事例:金型部品⑤
金型部品⑤
こちらは、ワイヤーカットによって製作されたDH2F製の金型部品です。 >>加工実績の詳細はこちら

ワイヤーカットなら、精密部品加工センターにお任せ!

精密部品加工センター.comを運営する株式会社長津製作所では、精密部品を中心とした様々な部品加工を多くの業界に向けて行っております。ワイヤー放電加工機から型彫放電加工機、研削加工機、マシニングセンタなど、多岐にわたる工作機械を保有しているため、あらゆる精密部品加工に対応しております。

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