マシニングセンタには、自動工具交換装置(Automatic Tool Changer:ATC)が搭載されています。そのためマシニングセンタは、穴あけや平面削りなどの切削加工を1台で効率良く行うことができる、生産性の高い工作機械です。しかしマシニングセンタには、デメリットも存在しています。
ここでは、マシニングセンタに関する長所とデメリットをまとめて解説いたします!
マシニングセンタとは?
マシニングセンタとは、自動で切削工具の交換ができる機能を有しており、穴あけや平面削りなどの切削加工を1台で行うことができる機械です。マシニングセンタの大きな特徴としては、加工プログラムに沿って工具を自動交換することができる、自動工具交換装置(Automatic Tool Changer:ATC)が搭載されていることです。
>>マシニングセンタとは?マシニング加工の特徴やポイントまで解説!
また、マシニングセンタと似た機械にNC工作機械がありますが、NC工作機械とマシニングセンタの違いは、工具交換があるかないかという点です。ちなみにNCはNumerical Controlの略で、数値制御を意味します。
マシニングセンタの長所とは?
マシニングセンタにはいくつも種類がありますが、マシニングセンタ全体における長所・メリットについて説明します。
繰り返し精度が高い
マシニングセンタの1つ目の長所は、繰り返し精度が高いことです。旋盤やフライス盤などの作業者による加工の場合、ミスが起きたり、数値が狂ったりすることがどうしても発生してしまいます。しかし、マシニングセンタでは自動制御で加工するため、手作業にと比較して同じ品質で加工し続けることができます。
量産加工に最適
マシニングセンタの2つ目のメリットは、量産加工に適していることです。CAMによって一度加工プログラミングを組み終えれば、あとは機械が同じものを高品質に加工し続けてくれます。複雑な形状であっても、プログラミングさえできれば機械に任せるだけでよいのがマシニングセンタの特徴です。そのため、量産加工においてはマシニングセンタの貢献度が高くなります。
工具の自動交換
3つ目のマシニングセンタの特徴は、工具を自動交換できることです。工具の自動交換が可能になると、作業者による工具交換が不要になります。これにより、作業時間の大幅な短縮につながります。
マシニングセンタの短所とは?
自動化による長所が多いのがマシニングセンタですが、デメリットも多くあります。続いて、マシニングセンタの短所について紹介します。
旋盤と比べて真円度が劣る
マシニングセンタの短所の1つ目は、マシニングセンタのデメリットとしては、旋盤と比較した際に真円度が劣るということが挙げられます。高速回転による加工のため発熱があり同軸度が旋盤にと比較をして劣ってしまします。真円度に誤差が生じることで主軸がブレ、エネルギーロスや加工品の精度不良に繋がります。
深い物や厚みのあるワークの加工は困難
また、ワイヤーカットと比較をした場合、深い物は加工できないということがデメリットとして挙げられます。またマシニング加工は直接加工のため、工具摩耗が発生してしまいます。そのため、厚みがあるワークの加工は難しくなります。
複雑な加工プログラムが必要
マシニングセンタの短所の3つ目は、複雑な加工プログラムが必要なことです。加工プログラムを作ってさえしまえば、加工自体は非常に容易になります。しかしマシニングセンタの加工プログラムは複雑なものとなっており、プログラムの作成に時間を要してしまいます。そのため、量産では強力となるマシニングセンタですが、単品製作の時にはどうしても時間がかかってしまいます。
加工状況が見えづらい
マシニングセンタによるマシニング加工では、加工状況が見えづらいのが4つ目のデメリットです。汎用工作機械であれば、作業者がその肌感覚を元に加工を調整することができます。
しかしマシニング加工では、全体がカバーで覆われているため、なかなか加工中の加工点を見ることができません。また、プログラムに任せて自動加工を行うため、何か問題が発生した際も気づかずに加工を続けてしまうことがあります。これが自動化における表裏一体の特徴になります。
導入コストが高い
5つ目のマシニングセンタの短所は、導入コストが高いことです。これはマシニングセンタのみならず、NC工作機械全般にも言えるデメリットですが、ツールチェンジャーが搭載されいている分、マシニングセンタの方が導入コストは高くなります。
マシニングセンタ使用時のコストダウン・工数削減のポイント
コストダウンの際、部品精度を必要以上に求めてしまうと、使用する加工機も高価なもとを選定する必要があり、面粗さの要求が高い場合は職人の手ミガキなどの工数も発生してしまい、コストがかかってしまいます。
お客様に最適な要求精度、最適な加工目の選択により、比較的安価に対応することが出来ます。
また、段取り工程や工数を短縮する方法として、一つ目はワークを磁力によって固定するマグネットチャージャーの使用があります。通常はバイスを使用して固定することが多いのですが、マグネットチャックを使用することで工程や工数を1/2に短縮することができます。
2つ目はワークの自動芯出し機能を使用することです。通常ではインジケータを用いて芯出しをするのですが、自動芯出し機能があることで別作業を行う時間ができ、芯出し作業約5分の短縮を可能にします。v56i、a71、v33iといったマシニングセンタに搭載されています。
当社のマシニングセンタのご紹介
続いて、当社が保有しているマシニングセンタをご紹介いたします。
牧野フライス:5軸マシニングセンタ V56i
精密部品加工センター.comでは、こちらの5軸立形マシニングセンタ V56iを用いて、装置部品等の加工を行っております。 独自の機械構造によって、精密部品で多用される高硬度材の加工であっても、高効率かつ高精度に加工することができます。 こちらの5軸マシニングセンタでは、主軸に独自の...
牧野フライス:立形マシニングセンタ V33i
精密部品加工センター.comでは、こちらの立形マシニングセンタ V33iを用いて、装置部品等の加工を行っております。 独自の機械構造によって、長時間の加工でも安定した精度で加工することができます。 こちらの立形マシニングセンタでは...
ファナック:5軸マシニングセンタ ROBODRILL α-T21IFL
精密部品加工センター.comでは、こちらの5軸立形マシニングセンタ ROBODRILL α-T21IFLを用いて、装置部品等の加工を行っております。 こちらの5軸マシニングセンタは、高精度かつ高効率な加工を実現できるのはもちろんのこと...
牧野フライス:大型横型マシニングセンタ a71
精密部品加工センター.comでは、こちらの大型横形マシニングセンタ a71を用いて、装置部品等の加工を行っております。 a71を用いることで大型で重量のある部品の加工が可能となるため、自動車や産業機械など幅広い業界の部品加工に対応ができます。
マシニング加工の加工実績
続いて、当社が実際に加工したマシニング加工による加工実績をご紹介いたします。
加工事例:ヒートシンク
こちらは、アルミニウム製のヒートシンクです。旋盤加工とミーリング加工によって加工をいたしました。
加工事例:測定用ブロック
こちらは、ABS樹脂製の測定ブロックです。全体と穴開けをミーリング加工によって加工いたしました。
加工事例:ネジ駒
こちらは、マシニング加工によって製作されたSKD11製のネジ駒です。
マシニング加工のことなら、精密部品加工センターにお任せ!
精密部品加工センター.comを運営する株式会社長津製作所では、精密部品を中心とした様々な部品加工を多くの業界に向けて行っております。ワイヤー放電加工機から型彫放電加工機、研削加工機、マシニングセンタなど、多岐にわたる工作機械を保有しているため、あらゆる精密部品加工に対応しております。 また、ホログラム光学素子用金型などの超精密金型の設計・製作実績も多数ございます。 さらに当社では、当社工場にとどまらず、大田区や燕三条など、国内でも有数の加工集積地に幅広い加工ネットワークを築いております。これらの加工ネットワークを駆使することで、どこの会社ならできるかわからないような部品加工にも対応いたします。
「この部品はどこの会社ならできるのかな...?」「加工するのが難しい材料なんだけど、どこにもお願いできなくて困っている...。」「とにかく高精度に加工してほしい!」こうしたお悩みに、精密部品加工センター.comはお応えいたします。精密部品の設計・加工にお困りの方は、まずはお気軽に当社までご連絡ください。