真鍮とは
真鍮とは、銅(Cu)と亜鉛(Zn)の合金で、加工性、導電性、熱伝導率に優れた素材です。一般的に、真鍮は亜鉛を含む割合が高くなれば薄い色となり、低ければ赤みを帯びた見た目になります。また、成分の割合で特性が異なります。成分の割合による特性の変化を、より詳しく説明すると下記の通りです。
Zn:5~20%・Cu:80~95%
この成分の割合の真鍮は、丹銅(たんどう)と呼ばれ、成分の通り銅に近い特性を持つ真鍮です。金に似ている赤みを持ち、高い耐食性を持つことから、建築物の装飾やアクセサリー、金箔などに用いられています。
Zn:30~40%・Cu:60~70
この割合の真鍮は、黄銅と呼ばれる、最もオーソドックスなものです。展延性と切削性に優れているため、5円玉から精密機械部品まで様々なものに用いられています。
Pb:数%・Fe:数%・Cu:60%程・残りはZn
こちらは快削黄銅と呼ばれる真鍮であり、鉛を含むことにより、優れた切削性を持ちます。また、切屑も微細であり、容易に切り離すことができるため、まさに「快削」黄銅であると言えます。この性質から精密加工が必要な部品に用いられています。
このように様々な種類に分けられる真鍮ですが、切削加工においては黄銅や快削黄銅が主に用いられます。
真鍮の切削加工におけるポイント
前述の通り、優れた特性を持つ真鍮ですが、切削加工を行う際には押さえなければいけない2つのポイントがあります。
1つ目は、硬度が低い材質であるため、衝撃や圧力による変形を防止する必要があるということです。特に段取りの際は、バイスが使用できない場合には、「真鍮に穴を空けボルトで引っ張る」などの方法を取らなければなりません。また、硬度の低さは、砥石に目詰まりを起こしやすいというデメリットを生むため、研削加工には適しておりません。ただ、形状精度は出しやすいため、鏡面度を求める際には、ダイヤモンド工具を使用して、超精密加工を行う必要があります。
2つ目は、熱による変色や変形を防ぐ必要があるということです。そのためには、「加工条件を低めに設定する」、「油性の切削油を十分にかけた上で加工を行う」などの対策を行わなければなりません。
当社の真鍮加工事例のご紹介
加工事例:コイル
こちらはC3604製のコイルの加工実績です。サイズはφ35×50(mm)で、旋盤加工とミーリング加工を用いて製作いたしました。
加工事例:精密機器向け 電鋳マスター 部品
こちらは、超精密加機によって加工された真鍮製の電鋳マスターの金型駒です。サイズはφ30×25で、精度がRa0.02μmの精密機器向けの精密金型駒です。
加工事例:光学部品用フレネルレンズ形状 部品
こちらは、真鍮製の光学業界向けのフレネルレンズ形状の部品です。サイズはφ6×20で精度がRa0.02μmです。加工方法としては、ミーリング加工と旋盤加工を行っています。駒先端部にネジの加工が行っており、実際の成形時には、金型内部で回転する部品です。
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