金型と治具は製品を製造するための部品という点では同じですが、使用の目的や使い方には明確に違いがあります。
金型は、製品を目的の形状に成形するための型であり、製品の形を決めるものであり、
治具は、ワークを固定したり、位置決めするための補助的な役割を持つ部品です。
具体的に金型と治具、それぞれどのような部品なのかについて解説します。
金型とは?
金型は、主に金属で作られた、製品を目的の形状に成形するための型です。成形方法は様々あります。
プレス機械に取り付けて、ワークに金型を押し付けることで目的の形状を得たり、射出成形やダイカストなどでは、材料を金型内に流しこむことで、成形を行います。
つまり、金型は製品の形状を決める重要な役割を持った部品であると言えます。
治具とは?
治具とは、加工をする際にワークを固定したり、位置決めするための補助的な役割を持つ部品です。例えば、機械にワークをセットする際、ワークの形状的に、不安定になってしまう場合には、そのまま加工を行うと、品質や形状にばらつきが出てしまう可能性が高くなります。そこで、治具を用いて、ワークを安定させた状態で加工をできるようにすることで、品質が安定し、作業性がアップするのです。
金型は、製品の形状を決める部品ですが、治具は、品質や作業性を左右する部品であると言えます。
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治具を使用するメリット
治具は、ワークを固定したり、位置決めを行い、安定した状態で加工を行えるようにする補助的な部品です。この治具を使用して加工を行うことで、下記のようなメリットを得ることができます。
- 加工時間の短縮
- 加工精度の向上
- 品質の安定
加工時間の短縮
治具を使用して位置決めを行うことで、ポンチやケガキなどの前処理が必要なくなります。治具を使用しない場合では、必要だった前処理の工程が、治具を使用することで、必要なくなるので、その分だけ加工の効率がアップすることになります。
また、段取り替えの手間も省かれることで、治具を使用することは加工時間の短縮に繋がります。
加工精度の向上
治具を使って、ワークの位置決め、固定をすることで、狙った加工を行いやすくなるため、加工精度の向上に寄与します。
品質の安定
治具によって、ワークの位置決めを行うことで、いつでも同じ決められた位置で加工を行うことができるため、加工の精度が一定となります。
また、作業者によるばらつきも防げるため、治具の使用は、品質の安定に繋がります。
治具製作のポイント
治具には、製品の加工精度を向上し、品質を安定化させるメリットがあります。そのため、治具に求められる精度も高いものになります。
加工品の精度は、加工に用いられる部品より精度が高くなることはないため、治具には、加工品よりも高い精度が求められるということです。治具を設計する際には、そのような点も考慮する必要があります。
また、製作を依頼する際は、高精度な加工に対応できる業者に依頼し、精度、品質共に高い治具を製作することが、最終的な製品の品質を高めるためには重要なポイントとなります。
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