精密部品加工とは、「5/1000 mm(数ミクロン)レベルでの加工要求に応えることができる加工」のことを意味します。今回の記事では、精密部品加工とは何か?精密部品の精度や加工範囲、地域性、海外調達などについて詳しく紹介していき、実際に当社が製作した精密部品の加工実績までご紹介いたします。
精密部品の加工とは?定義
精密部品加工とは「5/1000 mm(数ミクロン)レベルでの加工要求に応えることができる加工」のことを意味します。当然サイズによっても変わってきますが、一旦ここではこのように定義しておきます。
精密加工の精度は?
精密加工は、被削材の大きさや形状によって許容範囲が変わります。
また、精密加工では一般的にμmレベルの寸法公差になりますが、nm(ナノメートル)レベルの寸法公差が求められる超精密加工にも、当社では対応しております。
精密部品加工のサイズは?
精密部品加工のサイズは概ね、10~500㎜程度で収まるもののことを言います。
精密部品の加工実績では、製品とそれぞれの製品サイズを紹介しています。
精密部品加工の主な加工方法
精密部品加工で扱われる加工方法には、様々な種類があります。他ページでは下記の加工方法について詳細を記載しております。
・ミーリング加工
・旋盤加工
・キー溝加工
・放電加工
・ワイヤーカット加工
>>ワイヤーカットとは?原理・仕組みから特徴まで、まとめて解説!
>>マシニングセンタとは?マシニング加工の特徴やポイントまで解説!
精密部品加工の業界
精密部品加工によって製作された製品は、様々な業界で活躍します。弊社の製品の納品先としては下記のような業界が挙げられます。半導体や光学機器など高精度な品質が要求される業界にて扱われることがわかります。
・半導体
・自動車
・産業機械
・光学機器
・電気機器
・FA装置
・医療機器
精密部品加工の地域性と海外調達
精密部品加工の調達には、国内・海外の2つの選択があります。全国には、東京都大田区・大阪府東大阪・新潟県の燕三条・福島県など高精度な金属加工技術を有する集積地帯が存在しています。海外取引に関してもそれぞれの国の特徴を詳しく紹介しています。
>>精密部品加工が盛んな地域はどこか、新潟県燕三条・東京都大田区・海外調達について解説
長津製作所の精密部品加工の特徴とは?
当社は射出成形金型の設計・製造・成形までを担う射出成形金型メーカーです。そこで培った技術ノウハウを活かした精密部品加工が当社の特徴です。具体的には、複合加工と、高精度治具製造、金型部品加工があげられます。
当社では複合加工とは、1つのワークに対して、多工程の加工を施す加工方法のことを表しております。
複雑形状の部品製作の場合には、複合加工をおすすめします。なぜなら複合加工のメリットである、それぞれの加工方法でのデメリットとなる部分を他の加工方法で補うことができるという点によって加工精度を高められるからです。
当社ではマシニングセンタで加工できないものに関しては、放電加工やワイヤーカット加工で柔軟に対応しております。さらに、真円度、円筒度を求める際には、旋盤、円筒研削、NC治具研を効果的に使用する場合がございます。
また治具については、簡単な形状のものの精度が異常に高い高精度治具や、形状が複雑な治具など、様々な治具についてご相談をいただいております。特に複雑形状の治具を製造するためのポイントは、主に3つです。
- 複合加工を行う設備力
- 加工面段差・取付誤差・仕上がり面の面品質を考慮した精密加工
- 治具の品質管理をするための取り回し力
そして金型部品について。金型部品は、一般的な機械部品と違い一品ものであることが多いです。これは、金型そのものが製品の品質・性能に直結するという性質によります。
私たちの日々の生活の中で使用する製品の多くは、金型によって製作されています。そのため金型は製品の生みの親と呼ばれることもあります。金型から作られる製品の品質には、金型部品の精度が大きく関係してきます。特に電子機器・医療系・自動車・航空機といった業界の金型部品製造は通常よりも高い精度が求められます。
金型は大量生産をするために欠かすことができない加工方法ですが、加工品の精度がひとつひとつ異なっていては、使い物になりません。精巧かつ緻密な加工を行うためには、精密な金型部品を使う必要があります。
そして、長津製作所が多くの大手メーカー様から精密部品加工について選ばれる理由。それは、本当にその形状が必要かを分析・検証することができ、場合に応じては設計変更も含めた技術提案ができる、という点になります。
大手メーカー様が部品の図面を製作し、我々のような部品加工業メーカーに加工依頼をいただきます。しかしその図面の中には、実際にその精密部品を製造する方法にまで考えが及んでいないという場合も見受けられます。
当サイトを運営する株式会社長津製作所は、射出成形金型の設計・製造・成形までを行う金型メーカーです。日本を代表する大手メーカー様への直需営業力で培った技術提案力こそが、当社の強みとするところです。ここで培った経験を活かして、本当にその精度が必要なのか、必要であればどうしたら実現できるのか、もっといい方法はないのか、なるべくコストダウンできる方法はないのか、といった様々な角度から積極的な技術提案を行っております。
精密部品加工については、設備や精度、取り回し力も大切ですが、何よりも本当にその形状が必要かを分析・検証することができ、場合に応じては設計変更も含めた技術提案ができるかどうか、という点が製造における最も重要なポイントです。
実際にサイトで掲載することが難しい製品も多いため、ここでは精密部品加工の一部の事例をご紹介いたします。
弊社の加工・調達実績
続いて、弊社の加工実績・調達実績についてご紹介いたします。
加工事例:ヒートシンク
こちらは、アルミニウム製のヒートシンクです。旋盤加工とミーリング加工によって加工をいたしました。
加工事例:位置決めピン
こちらは、精密ミーリング加工によって製作された位置決めピンです。サイズは~30㎜となっています。位置決めピンは、組立作業や掘削加工をする際に、対象物の位置を正確に決定するときに使用するものです。2か所の精度穴に位置決めピンを挿入して使います。この製品は、半導体業界・自動車業界などで利用されることが多くなっています。
加工事例:ウォームギア③
こちらは、精密部品加工で製作されたウォームギア③です。サイズは10㎜×5㎜となっています。ウォームギアは、歯車とそれにかみ合うネジ状の機構のことを示します。
半導体業界・自動車業界などで利用されることが多くなっています。また、鉄・鋼でできており旋盤加工によって製作が可能です。
加工事例:製品駒
こちらは、精密部品加工で製作された製品駒です。サイズは60㎜×80㎜×45㎜となっています。製品駒は光学機器・自動車・半導体・金型業界で利用されることが多くなっています。材質は鉄・鋼でワイヤーカット・放電加工・マシニングセンタといった複合加工によって製作が可能です。
加工事例:継手①
こちらは、精密部品加工で製作された継手です。サイズは70㎜×60㎜×30㎜となっています。継手は、パイプ・チューブ・ホースなどの配管を繋ぎ合わせるために利用します。用途や材質によって様々な種類が存在します。
こちらの製品は自動車業界で利用されることが多くなっています。材質はステンレス鋼でミーリング加工によって製作可能です。
加工事例:フランジ②
こちらは、精密部品加工によって製作されたフランジです。サイズは180㎜×で10㎜となっています。フランジは半導体業界・自動車業界、プラント業界等で利用されることが多くなっています。材質はステンレス鋼でできており、ミーリング加工によって製作可能です。
加工事例:ベベルギア
こちらは、精密部品加工によって製作されたベベルギアです。サイズは250㎜×30㎜となっています。ベベルギアは傘型歯車で、その傘型の歯車を合わせることで回転軸の方向転換をすることに使います。こちらの製品は自動車業界で利用されることが多くなっています。材質は鉄・鋼でミーリング加工によって製作可能です。
精密部品加工なら、精密部品加工センターにお任せ!
精密部品加工センター.comを運営する株式会社長津製作所では、精密部品を中心とした様々な部品加工を多くの業界に向けて行っております。ワイヤー放電加工機から型彫放電加工機、研削加工機、マシニングセンタなど、多岐にわたる工作機械を保有しているため、あらゆる精密部品加工に対応しております。
また、ホログラム光学素子用金型などの超精密金型の設計・製作実績も多数ございます。 さらに当社では、当社工場にとどまらず、大田区や燕三条など、国内でも有数の加工集積地に幅広い加工ネットワークを築いております。これらの加工ネットワークを駆使することで、どこの会社ならできるかわからないような部品加工にも対応いたします。
「この部品はどこの会社ならできるのかな...?」「加工するのが難しい材料なんだけど、どこにもお願いできなくて困っている...。」「とにかく高精度に加工してほしい!」こうしたお悩みに、精密部品加工センター.comはお応えいたします。精密部品の設計・加工にお困りの方は、まずはお気軽に当社までご連絡ください。