複雑形状の部品加工におけるポイントを教えてください。
複雑形状とは、NC工作機械や放電加工等の加工工程が複数にまたがることで、加工に要する時間がかかるようなものを指します。特に、複雑形状となる目安としては、加工工程が3工程以上、さらに加工時間が1ワークにつき20~30時間以上を要する場合に複雑形状として該当します。
当社の製作実績の中で複雑形状に該当する部品は下記の通りです。
金型のコア(中)・金型のキャビ(外)・製品部スライド駒②・製品部丸駒④・製品部丸駒⑤・製品部丸駒⑥・製品部入子⑤⑥
特に製品部入子⑤・⑥の製作する上、加工工程がワイヤーカット加工、ミーリング加工、放電加工と3工程の中で最も時間がかかるのは、型彫り放電の電極作成であり、製作の際には10種類の電極を作成する必要がございます。この部品を製作する上で注意するポイントとして下記の4点が挙げられます。
①機械の誤差を把握したうえでの寸法設定:ミーリング後に放電を行うのでマシニングの面に放電を合わせる
②工段差(加工面段差・取付誤差):放電をしたときとミーリングをしたときの段差に注意をする
③仕上がり面の面品質:最終商品になるため複雑部品であると特に気を付ける必要がある
④管理面:工数の多くなったものは遊びを少なくして、リードタイムを短くする